国宝・源氏物語絵巻コラボレーション作品。
■ STORY
惹かれ合う光源氏と藤壺の宮。4才違いとはいえ関係性上は義理の親子であり、そもそも帝の妻と関係を持つという国家的大反逆罪である。
愛し合う2人だが、源氏と藤壺は想い合っていても未来への想いは全く違う方向にあり、方向性の違う歌を読むことは有名。少し大人で愛情深い藤壺は罪の意識から後源氏と離れるように過ごす。惹かれていても互いの未来を考え離れる決断を実行する姿は愛情と自律そのもの。さらに藤壺は桐壷の死があったからこそこの物語に登場し、また源氏との子を身ごもり生命を宿すなど、生死を考えさせる部分も多い。
美しい情景ではあるが、同じ沿線上にいるけれどずれている、そしてぼろぼろと感情がこぼれ落ちる儚い様子を落椿で表現した。
■ CONCEPT
金属素地を自由にカットし組み合わせることで今までにない表現方法として提示した。パズルのように重なり合いそうで重ならないところが、気持ちのすれ違いを表現している。
自由にカットした銅板素地に純銀の帯状の線で絵柄を描いた落椿と、落椿の形状をしてポロポロとこぼれ落ちる形で描写された椿とのコントラストが見どころ。椿が落ち、まるで絵から出てきてしまったような表現を考えた。
2019. 11. 30 徳川美術館にて行われた国宝源氏物語絵巻公開展示とのコラボレーション作品
サイズ:横45cm × 縦45cm 程度